県立南部医療センター・こども医療センターは、全国でも数少ない、こども病院を併設した、大人とこどものための総合医療センターとして2006年4月、当時の県立那覇病院と県立南部病院を整備・統合し、全く新しい機能や役割を持った基幹病院として開院しました。全病床数は444床(小児病床108床)で、急性期病院として位置付けられています。
診療の特徴として、胎児期から成人までを対象とし、さまざまな疾患に対応する事が可能な高度で多機能な病院です。
我が国の少子高齢化社会において、こどもから大人までを継続して医療サービスを受ける事ができるユニークな病院として注目を集めています。
人口70万人を超える南部医療圏の救急基幹施設として24時間365日不休で診療を行う救命救急センター・小児救命救命センターを有し、受診者数は年間35,000件を越え、救急車は年間約5,000件、宮古・八重山や離島から急患航空搬送の受入も行っています。2019年には脳卒中センターを開設、mobileCVS(心臓血管外科ドクターカー)を導入し、疾患の超急性期への対応を強化しました。
成人部門に24診療科があり、多岐にわたって疾患の急性期医療に対応しています。
成人集中治療室15床を有し、心疾患に対し循環器内科・心臓血管外科による高度な治療が行われ、超急性期脳血管障害に対して脳神経内科・脳外科による脳卒中センターや、多発外傷に対して集中治療科による高度医療が提供され成果をあげています。
1類感染症にも対応する陰圧個室を有し、今般の新型コロナウィルス感染症に対応する指定医療機関でもあります。
沖縄県全域のこどもの専門医療を行う完結型施設であり、県内各地より搬送される小児の心疾患、血液・腎・神経疾患や小児外科・整形・形成外科疾患などに対応し、2016年には全国で10番目となる小児救命救急センターが認可されました。
小児集中治療室PICU8床を有し、外傷・熱傷・感染症など重症な小児救急疾患治療を行っています。
産科・新生児科・小児循環器科・小児心臓血管外科が協働し、先天性心疾患を胎児期に診断し、新生児集中治療を経て年間約100例の小児の心臓手術が行われています。
小児の在宅医療支援や成育支援にも力を入れ、総合的な小児医療を提供しているほか、成人になった先天性心疾患診療など移行期医療にも力を入れています。
ハイリスク妊娠や超早産児管理など、県内の周産期医療の中心的役割を果たし、母胎集中治療室MFICU床、新生児集中治療室NICU床を有しています。2020年1月には新生児回復治療室GCU床を増設しました。
身体合併症のある精神疾患患者に対し、身体疾患を担当する診療科と精神科が連携しあって治療を行う精神身体合併症医療病棟を有しています。
当センターは県内8離島に附属診療所を有するへき地医療拠点病院であり、離島の人々の健康をサポートしています。
臨床研修施設として初期研修医を全国から受け入れており、新専門医制度を見据えた専攻医も募集しています。 臨床研修終了後は一定期間、離島僻地の中核病院で研鑽を積む機会があります。