小児循環器内科からのお知らせ
当院には沖縄県内で唯一の『小児循環器センター』があります。
沖縄県民のニーズに応えて、県内のあらゆる小児循環器疾患に対応できように、2006年に一施設に集約された小児循環器センターとして発足しました。
現在は、胎児から成人までその診療範囲は拡大され、胎児診断から、周術期管理、開心術を含めた心臓血管手術、様々なカテーテル治療、カテーテルアブレーション、集中治療管理、慢性心不全管理などを行い、状態が安定した患者様に対しては外来診療を行っています。
また、離島など遠方から外来通院・入院されるお子さんとご家族の滞在用の施設『がじゅまるの家』が病院の近く(徒歩2分)に設立されています。
専門外来を月曜日から金曜日まで週5日行い、年間約7000人の患者様を診察し、約400人の新規患者様を受け入れています。
新規患者様のご紹介は地域連携室を通じて外来日程を調整しています。
対象 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
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入院患者数 | 303 | 315 | 320 |
心エコ−(3Dエコー・経食道心エコーを含む) | 4118 | 3998 | 4214 |
トレッドミル検査 | 57 | 67 | 40 |
ホルター心電図 | 154 | 178 | 146 |
心臓カテーテル検査(治療を含む) | 224 | 229 | 236 |
心臓カテーテル治療(アブレーションを含む) | 59 | 62 | 79 |
急性心不全、慢性心不全の増悪、不整脈発作、低酸素発作、感染性心内膜炎等の感染症などを発症した患者様を24時間受け付けています。
沖縄は離島県であり、遠方の離島および鹿児島の南方離島までの小児循環器疾患の緊急受け入れ、定期心臓検診、胎児心疾患疑い児の母体搬送などを含めた地域医療も広く担っています。
当院は初期研修、小児科後期研修、および小児循環器専門医修練施設として、若いドクターが小児循環器疾患についての知識と技能を磨き、将来へのキャリアプランに向かって成育するように教育することを理念とします。研修医の先生は入院患者様の主治医を担当し、上級医の指導の下で、心エコー検査や心臓カテーテル検査を行い、診断・治療などの診療を実践してもらっています。
2008年度から日本小児循環器学会、さらに2018年からは日本成人先天性心疾患学会による専門医制度が導入され、当院はそれらの修練施設に認定されています。
小児および成人先天性心疾患に興味を持っている若い小児科医や小児循環器内科医にとって、胎児から新生児、小児、成人に至るまでの多種多様な症例を診療できる環境は、他の施設にはない研修の場になります。希望に満ちあふれた若い医師を募集しています。
佐藤 誠一、北野 正尚、島袋 篤哉、加藤 昭生、西岡 真樹子、吉野 佳佑の6名の小児循環器科内科医が診療しています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
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小児循環器外来 | 午前 | 佐藤 | 島袋 | 北野/島袋 | ||
午後 | 佐藤/北野 | 島袋/西岡真樹子 | 佐藤/島袋 | |||
心エコー外来 | 午後 | 吉野/北野 | 西岡真樹子 | |||
成人先天性 心疾患外来 |
午後 | 佐藤/北野/長田/ 西岡雅彦 |
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入院業務 | 心臓カテーテル 検査/治療 |
胎児心エコー検査 | 経食道心エコー検査 | 心臓カテーテル 検査/治療 |
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小児ICUカンファレンス(8:30) | ||||||
小児病棟回診 | ||||||
小児循環器内科 カンファレンス |
小児科合同 カンファレンス |
小児病棟 カンファレンス |
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心臓カテーテル前 カンファレンス |
成人先天性心疾患 カンファレンス |
小児心臓血管外科・ 小児循環器内科 合同カンファレンス |
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周産期 カンファレンス |
心臓カテーテル検査・治療 | 多くは全身麻酔下に1日2〜3件施行 |
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心臓カテーテル前カンファレンス | 臨床工学技師、放射線技師も含めて、検査・治療手順の確認 |
小児循環器内科カンファレンス | カテーテル検査・治療症例およびその他の症例の治療方針の検討 |
小児心臓血管外科・小児循環器内科合同カンファレンス | 心臓カテーテル検査・治療施行症例、および他に手術を考慮すべき症例の治療方針の検討 |
周産期カンファレンス | 産科、新生児科が主催、胎児診断症例の治療方針の確認 |
小児科合同カンファレンス | 全科の小児科医が参加、希少症例や啓蒙的症例の治療方針・転帰の討論 |
小児科病棟カンファレンス | 看護師を含めて、入院患者の在宅医療へ向けた診療方針などの検討・確認 |
成人先天性心疾患カンファレンス | 月に1回、循環器内科と合同で、患者治療方針の検討 |
標準12誘導心電図: 両手足と前胸部6か所に電極をつけて、心筋細胞が興奮・収縮する際に発生する電流を心電計で記録します。不整脈や、心臓各部位の負荷(圧、容量)、心筋の異常、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などの情報が得られます。
ホルター心電図: 記録装置を24時間装着し、その間の心電図変化を調べる検査です。睡眠中の不整脈、昼夜の不整脈の出現頻度の差などをチェックします。運動を含めた普通生活中のどの時間帯に、何をきっかけに不整脈が発生しているかを観察します。
頻発する不整脈では24時間のホルター心電図で診断が可能ですが、まれにしか発生しない重症不整脈には、植込み型心臓モニタを装着して診断することもあります。
運動負荷心電図(トレッドミル): ベルトコンベアの上を歩き、2-3分毎に傾斜をきつくして、スピードも速くします。運動中の心電図変化(不整脈や心筋虚血の発生)を診断することで、重症度の判定や運動耐容能などを評価し、運動許容域を決定します。
320列3D-CTアンジオ: CT(Computed Tomography)装置はエックス線を発生するエックス線管球とエックス線の量を測定する検出器が向かい合うように設置されています。エックス線を人体に回転させながら照射し、透過してきたエックス線の強弱を検出器で収集します。この強弱の差をコンピューターで計算し、輪切りの画像を作り、身体の内部構造を観察します。
さらに、コンピューターで収集した輪切りの画像から3次元画像を構築し、様々な方向の断層画像が観察できます。現在は64列マルチスライスCTを用いて、複雑心奇形の構造や心臓冠動脈の診断はもちろん、気管(支)と血管の関係など、その他の臓器、血管系の病変の診断も行えます。
MRI:造影剤を使用せず、また放射線の被爆なしに、血管や心内構造の評価ができる検査です。
ただし、検査中約30分間動かずにいる必要があるため、乳幼児では鎮静剤を使用します。
心室の容量や拍出量・逆流量を正確に知ることができます。ファロー四徴術後等で右心室が拡大した場合に、再手術の必要性を決定する際にも重要な検査です。
ただし体内に金属が入っている場合には、検査ができない、もしくはきれいな画像が得られない場合があります。
また、ペースメーカーが挿入されている患者様は設定が変更される危険があるため検査が受けられません。
趣味は野球のプレーと観戦。まだ現役プレーヤーですが専門はヤジ。那覇ハーリーにも参加していますが鉦打ち専門です。さらに沖縄生活をエンジョイするために、船舶免許と自動二輪大型限定解除にチャレンジ。
趣味は釣りですが、沖縄では熱帯魚しか釣ったことがありません。日々のランニングで、沖縄マラソン出場を目指しています。大学時代はオーケストラ部で、今でも海を見ながらバイオリンを弾いています。
国立循環器病研究センター18年間のカテーテル治療の経験に基づき、小児心臓血管外科や循環期内科の先生方とも協力して沖縄の低侵襲治療を発展させ、小児から成人までの患者様が元気に生活できる様努力致します。
サッカー、マラソン
患者さん、ご家族に寄り添いながら、最適な治療とケアを提供できるように心がけております。胎児から成人まで、沖縄県民の笑顔と未来のために、今後も努力してまいります。
患者さんと、そのご家族にとって最善の医療を目指します。
食べ歩き、映画鑑賞
患者さんやご家族に寄り添った医療を提供できるよう頑張ります。
母校の小児心臓血管外科の先生方をみて学び、小児循環器内科医を志しました。私の趣味は写真を撮ることであり、心電図・心エコー・心臓カテーテル検査などは画像の取り方に関して写真に通ずるところがあると感じております。写真で学んだことを活かしつつ、身体診察も大事にして診療いたします。よろしくお願いいたします。
当院には、沖縄県内のほぼ全ての小児循環器患者が分け隔てなく集約されています。
胎児診断から、周産期管理、JateneやNorwood手術も含めた心臓血管手術週術期の検査・管理、アブレーションも含めた様々な心臓カテーテル検査・治療、重症心不全管理、肺高血圧や川崎病の治療、成人先天性心疾患診療まで、グローバルな経験が積めることを約束します。
2023年からは経皮的肺動脈弁留置術を開始しました。幅広く多くの臨床経験を積みたい、何でも一人でできるようになりたい、重症患者の管理を実践したい、カテーテル治療を勉強したいなどと抱いている有志ある先生、お気軽にご相談下さい。
担当: 佐藤 誠一(さとう せいいち)
seiichisato56@outlook.jp
近年は、小児心臓血管外科とコラボレーションしたハイブリッド治療を積極的に施行して、最重症の先天性心疾患児の救命に力を注いでいます:Norwood手術ハイリスク群の左心低形成症候群などに対するハイブリッド治療(両側肺動脈絞扼術と動脈管ステント留置術)、無脾症候群の狭窄性総肺静脈還流異常に対する還流静脈ステント留置術など。また、2015年からNykanen RFワイヤが使用可能となり、閉鎖心房中隔への心房中隔欠損作成術や閉鎖肺動脈弁の弁形成術が経皮的に安全に施行可能となりました。
2020年4月からAmplatzer Piccoloオクルーダが承認され、低体重児の動脈管も閉鎖が可能になりました。
2023年からHarmony valveを用いた経皮的肺動脈弁留置術を開始しました。
胎児心臓超音波検査専門施設として、沖縄全土(周辺離島を含む)の産科施設と協力して、胎児期に心疾患が疑われた全症例を集約化しています。定期的に胎児心エコーに関する研究会などを開催し、近隣産科とも密に連携することで、沖縄県の胎児心エコーの診断率向上を図っています。
胎児心エコーの地域への普及・診断率の向上に伴い、胎児診断から出生後の治療計画を立てることで、最重症の先天性心疾患も救命できるようになってきています。また早期診断により、出生前からご両親に対して病気に関する十分な説明を行い、他職種コメディカルスタッフとも協力し合いながら、ご家族のこころのケアにも力を入れています。
日本小児科学会、日本小児循環器病学会、日本先天性心疾患インターベンション学会
日本循環器学会、日本心臓病学会、日本成人先天性心疾患学会、日本超音波医学会
日本心エコー図学会、日本胎児心臓病学会、日本小児心電図学会、日本川崎病学会
日本小児科学会沖縄地方会、沖縄小児科学会、沖縄県医師会
World Congress of Pediatric Cardiology & Cardiac Surgery
Asia-Pacific Pediatric Cardiac Society
九州川崎病研究会、沖縄キッヅハート、沖縄心血管エコー図研究会、沖縄胎児心エコー講習会
おきなわこどもCME、沖縄小児救急研究会