小児部門
診療科

小児外科

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小児外科の概要

概要

小児外科は、一般に16歳未満の小児に対して、治療を行う外科診療科です。現在常勤医4名にて、手術、外来診察を行っています。

沖縄本島の患者さんおよび離島からの患者さんも受け入れています。

胸腔鏡手術・腹腔鏡手術に積極的に取り組んでいます。疾患によっては、日帰り手術も検討しています。

2022年度より日本小児外科学会認定施設になり、小児外科を専門として修練することができるようになりました。

特色

外来、入院ともに、こどものストレスを軽減できるように取り組んでいます。

医師・看護師・医療保育士・Child Life Specialist (CLS)、子ども療養支援士(CCS)、ボランティアなど、多職種が連携することで、来院するこどもたち、ご家族、きょうだいの支援を行っています。

こどもたちの安全、遊び、心のケアに最も力を入れています。

医師紹介

福里 吉充 (ふくざと よしみつ)

性別
職位 病院長
出身大学 琉球大学
認定医・専門医など 日本小児外科学会専門医
日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会認定医
日本救急医学会救急科専門医
専門分野 小児外科、外科

楯川 幸弘 (たてかわ ゆきひろ)

性別
職位 小児外科 部長
出身大学 金沢大学
認定医・専門医など 日本外科学会専門医、指導医
日本小児外科学会専門医、指導医
日本小児泌尿器科学会認定医
専門分野 小児外科

都築 行広 (つづき ゆきひろ)

性別
職位 小児外科 医師
出身大学 岐阜大学
認定医・専門医など 日本外科学会専門医
日本小児外科学会専門医
専門分野 小児外科

診療体制

外来日 午前 楯川
午後 楯川
  手術日
水  (第1週) 午前 楯川・福里
午後 都築
(第2週) 午前 福里
午後 都築
(第3週) 午前 楯川・福里
午後
(第4週) 午前 福里
午後
(第5週) 午前 楯川・福里
午後 都築
  手術日
午前 都築
午後 都築
手術日 火・木

小児泌尿器科手術:当院小児泌尿器科医師と連携して手術等行っています。  水(第2,4週目)

離島応援(宮古病院:小児外科外来として、毎月第3水曜日)(八重山病院:小児外科外来として、2ヶ月(奇数月)に1回第2週目金曜日)と中部病院応援(現在小児外科外来として、2ヶ月に1回第4水曜日)、当院での治療、診断、手術等を行っています。

回診、カンファレンス

月曜日:8時30分から:病棟回診

火曜日:7時30分から:術後カンファレンス、病棟回診

水曜日:8時30分から:新生児科、小児外科 入院患者カンファレンス、病棟回診

木曜日:8時から:病棟回診

金曜日:8時から:術前カンファレンス、病棟回診

病例検討会:1ヶ月に1回

病理カンファレンス:1ヶ月に1回 第3週目水曜日、7時30分から

対象疾患

胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、低侵襲手術に積極的に取り組んでいます。単孔式腹腔鏡下虫垂切除術、腹腔鏡補助下高位鎖肛手術、腹腔鏡下卵巣腫瘍切除術、完全胸腔鏡下肺葉切除術、腹腔鏡下胆道拡張症手術など。

新生児 食道閉鎖症、十二指腸・小腸・結腸閉鎖症、胎便関連腸閉塞、腸回転異常症・中腸軸捻転、特発性腸穿孔、壊死性腸炎、頸部含むリンパ管腫

☆当院は、県内唯一の小児心臓血管外科手術ができる病院で、心疾患を合併した小児外科症例も積極的に受け入れております。
乳児学童 急性虫垂炎、メッケル憩室、脱腸(鼠径ヘルニア)、でべそ(臍ヘルニア)、停留精巣、陰唇癒合、福耳、皮下良性腫瘤、胆道拡張症、卵巣の病気、気管・肺の病気など
小児がん 肝芽腫、神経芽腫、腎芽腫、胚細胞性腫瘍(縦隔、腹腔、後腹膜腔)。

☆治療に難渋する症例では、小児がん拠点病院と連携し、治療にあたります。肝移植が必要な肝芽腫においては、移植可能施設と連携して治療にあたります。移植終了後も、移植施設と連携し、当院での経過観察が可能です。
小児外傷 沖縄県では唯一、小児の外傷を集中治療できる病院です。
 

診療実績

 
年度 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
手術総数 338 315 236 221 299 410
新生児手術 15 14 20 24 21 16

日本小児外科学会 年次報告書から

2020年度からコロナ渦にて、手術制限かかり、2022年12月より解除となった。

 2022年5月から2024年1月:研修医、専攻医ローテーション

初期研修医1年次   :7名 (研究期間:3週間)

初期研修医2年次   :3名 (研究期間:2-3週間)

外科専攻医1年次   :1名 (研究期間:4週間)

外科専攻医2年次   :2名 (中部病院所属)(研究期間:4週間)

研修期間中学会発表:1名

今後の方針として、できるだけ研究期間で経験した症例を学会発表を行ってもらい、論文作成まで指導を行っていく。

 

2023年度学会発表、論文掲載

楯川 幸弘

①発表

1:日本小児外科学会(大阪):当院における外科的治療を行った小児腸重積症例の検討

2:日本小児泌尿器科学会(神戸):当院で経験した小児陰嚢内腫瘤5症例

3:直腸肛門奇形研究会(福岡):前方肛門と判断するも神経刺激装置にて肛門会陰皮膚瘻と判断した1症例

②論文

1:日本小児外科学会雑誌(原著):当院における外科的治療を行った小児腸重積症例の検討

 

都築 行広

①発表

1:日本小児外科学会(大阪):開腹歴のない腸閉塞25例の検討 

2:日本小児血液・がん学会学術集会(札幌):責任病変の同定にPET-CTが有用だったunicentric Castleman diseaseの2例

3:日本小児呼吸器外科研究会(福岡):VATS後無気肺の管理に難渋した膿胸の2例

②論文 

1:Journal of Pediatric Surgery Open:Detection limit of computed tomography for hepatoblastoma pulmonary metastases- Based on total resection using indocyanine green fluorescence

 

初期研修医(1年次)

①発表

1:第134回沖縄県医師会医学会総会(沖縄):mesodiverticular bandによる開腹歴のない腸閉塞の1例

 

 例:2mm鉗子を用いた腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(LPEC)

鼠径ヘルニア、陰嚢水腫

概要

 

鼠経ヘルニア、陰嚢水腫とは

 通常、胎児期に閉鎖してしまう腹膜鞘状突起という落とし穴が残ることで、腸管、大綱、卵巣などが落っこちて鼠径部が膨らみます。啼泣時や排便時など、腹圧がかかると脱出します。落とし穴の入り口が大きいと、出っぱなしになることもあります。出なくなることはあっても、自然に落とし穴が閉鎖することは稀です。

 陰嚢水腫は、腹水が出て陰嚢に水がたまった状態です。

 出た臓器が落とし穴の入り口で締められ、戻れなくなると(嵌頓)、臓器が虚血に陥り、疼痛、不機嫌、哺乳不良、嘔吐、鼠径部の膨隆が固く触れるなどの症状がでます。早急に嵌頓を戻さないと、臓器壊死の恐れがあります。また卵巣の場合、捻転する場合があります。
これら緊急時は、早急に救急外来を受診ください。

 
治療法

 

腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(LPEC):当院における第一選択
 臍、側腹部、鼠径部にそれぞれ5mm、2mm、1mm程度の傷をつけ、腹腔鏡と鉗子、先端に糸のついた針を挿入し、お腹の中から観察しながら、落とし穴の入り口に糸をかけて縛り、穴を塞ぎます。症状のない対側にも落とし穴がある場合、今後症状がでてくる可能性があるので、対側にも同様の処置を行います。手術時間:15~60分

 

 従来法(Potts法)
 腹腔鏡がなかった頃からある術式です。鼠径部に切開をおき、直接落とし穴を確認して、糸でしばる方法です。鼠径部に2cmほどの傷ができます。対側の確認はできません。20人に1人ぐらいは対側に発症するといわれており、その場合は再手術が必要になります。

 
起こりうる合併症

 

 合併症の少ない手術ですが、低い確率(~1%)で以下のような有害事象が生じます。
○出血:落とし穴の周りには腹壁の血管や、骨盤内の大きな血管があります。術中に損傷して止血の処理を要したり、術後にじわじわ出血して再手術が必要になる場合があります。創部に皮下出血を生じる可能性があります。
○感染:創部に感染し、排膿処置などを要す場合があります。
○腹腔内臓器損傷:縫合など、追加の処置を要す場合があります
○臍のかたちが変わり、美容上の理由で形成が必要になる場合があります。
○再発:鼠径部膨隆が再出現し、落とし穴の再開通が疑われる場合、再手術が必要になります。成人になって症状が出た場合、小児期とは違う原因で生じていることが多く、必ずしも再発ではない場合があります。

 以下、男性のみ
○医原性停留精巣:精巣の位置が上がり、手術が必要になる場合があります。
○精管、精巣血管の損傷により、不妊の原因となる場合があります。

 

お知らせ

当院、当科ではかかりつけ医院からの紹介受診をお勧めしています。
お近くの小児科を受診して、紹介状をお持ち頂き、地域連携室を経由して外来予約・受診をして下さい。
待ち時間の少ないスムーズな診療に取り組んでいます。

医療関係者へ:ご両親が沖縄へ転勤することで、フォローアップが必要になる患児がいらっしゃいましたら、当院へご紹介ください。

医師募集

小児外科専門医取得をめざす医師を募集

日本専門医機構における初期研修、後期研修を無事に終了された先生方、もしくは間近に終了される先生方の中で、小児外科専門医取得を希望される先生方を募集します。
当院小児外科では2022年1月より、日本小児外科学会認定施設になっています。当院での研修により小児外科専門医への道が近づきます。
当院での臨床経験を積み重ね、症例報告、研究報告を行い、それぞれの報告から論文作成を行っていただくことで、学術的な思考と臨床経験を積み重ねていくことができます。

当病院での研修を希望される先生方は、是非ご連絡お願いします。

 

◎募集要項   (2023.6.27 更新)


応募資格 : 小児外科専門医取得を目指す医師


募集人数 : 1名


雇用形態 : 病院規定に基づいて


勤務期間 : 1年毎の更新。診療態度、実績により最大3年間の研修が可能。


仕事内容 : 病棟業務、手術、外科当直、時間外勤務(オンコール)


就業時間 : 病院規定に基づいて


 勤 務 地 : 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター


  給 与  : 詳しくはお問い合わせください。


募集方法、応募期限、選考方法 : 当院総務課に連絡により、募集期間内(年度9月下旬まで)に応募し、面接により採用を決定します。

 

提出書類 : ①履歴書 1通(形式は不問)

       ②推薦書(所属長、任意様式、押印のあるもの)

       ③業績(発表、論文)


応募・問い合わせ先 : 当院総務課、採用担当     メール xx036072@pref.okinawa.lg.jp
                        電話   098-888-0123