脳神経外科からのお知らせ
脳神経外科は脳神経疾患のうち特に外科的治療の対象となりうるものについて研究、治療する医学、医療の一分野です。
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター脳神経外科では、手術はもちろんのこと、手術に準じる処置や薬物療法など患者さんにとって最も安全・確実で有効な方法を選んで治療にあたります。
脳血管障害 | 脳出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳梗塞、もやもや病などに対する治療。 |
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脳腫瘍 | 良性および悪性脳腫瘍、転移性脳腫瘍などに対する治療。 |
脊椎・脊髄 | 脊髄腫瘍、脊髄空洞症などに対する治療。 |
脳頭部外傷 | 外傷性頭蓋内出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折などに対する外科的・保存的な治療。 |
老化と痴呆 | 水頭症や脳血流低下などを認めた場合、外科的な治療にて高次脳機能の回復が見込める症例があります。 |
先天奇形 | 先天性水頭症、頭蓋縫合早期癒合症、二分頭蓋二分脊椎、その他の様々な奇形などに対する外科的な治療 |
機能的疾患 | 顔面けいれん、三叉神経痛などに対する外科的な治療。 |
炎症性疾患 | 髄膜炎、脳膿瘍、脳炎、寄生虫などに対しては外科的に治療が必要な場合があります。 |
医師数 | 5名(長嶺、竹下、下里、友寄、藤井) |
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病床数 | 25床(他にICU平均3〜4床、小児病棟平均2〜3床使用) |
ふりがな 氏名 |
ながみね ともあき 長嶺 知明 |
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性別 | 男性 |
職位 | 副院長 兼 脳卒中センター長 |
出身大学 | 東北大学(1994年卒) |
認定医・専門医など | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳卒中の外科学会技術指導医 脳血栓回収療法実施医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本小児神経外科学会認定医 |
専門分野 | 脳神経外科一般 脳血管障害 良性脳腫瘍全般 頭蓋底手術 小児脳神経外科全般(脳血管障害・脳腫瘍・奇形etc.) |
ふりがな 氏名 |
たけした とものり 竹下 朝規 |
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性別 | 男性 |
職位 | 脳神経外科 部長 |
出身大学 | 長崎大学(2004年卒) |
認定医・専門医など | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳卒中の外科学会技術指導医 日本神経内視鏡学会技術認定医 Onyx 実施医 パイプラインフローダイバーター実施医 |
専門分野 | 脳神経外科一般 脳血管障害 |
ふりがな 氏名 |
しもざと りん 下里 倫 |
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性別 | 男性 |
職位 | 脳神経外科 医長 |
出身大学 | 琉球大学(2008年卒) |
認定医・専門医など | 日本脳神経外科学会専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医 日本小児神経外科学会認定医 日本神経内視鏡学会技術認定医 Onyx 実施医 |
専門分野 | 脳神経外科一般 脳血管障害 |
ふりがな 氏名 |
ともよせ りゅうた 友寄 龍太 |
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性別 | 男性 |
職位 | 脳神経外科 医師 |
出身大学 | 琉球大学(2014年卒) |
認定医・専門医など | 日本内科学会認定内科医 日本神経学会神経内科専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 |
専門分野 | 脳血管障害 脳血管内治療 |
ふりがな 氏名 |
ふじい ゆうたろう 藤井 裕太郎 |
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性別 | 男性 |
職位 | 脳神経外科 医師 |
出身大学 | 九州大学(2017年卒) |
認定医・専門医など | 日本脳神経外科学会専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 |
専門分野 | 脳神経外科一般 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
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成人部門 | 午前 | 手術日 | 長嶺・藤井 | 竹下 | 竹下・下里 | 手術日 |
午後 | 下里・友寄 | ー | ー | |||
小児部門 | 午前 | ー | 長嶺 | ー |
MRI、3次元CT、強度変調療法可能な放射線治療システムなどの検査・治療機器を用いて成人部門および小児部門の診療、手術、治療を行っています。
脳動脈瘤は破裂した場合、くも膜下出血という非常に重篤な疾患の原因となります。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の治療法としては、顕微鏡手術による開頭脳動脈瘤頚部クリッピング術と脳血管内手術による脳動脈瘤コイル塞栓術があり、その両方を当院で行う事が可能です。
脳動脈瘤の状態に適した治療法を検討選択し、治療を行います。
また、脳血管吻合によるバイパス術などを駆使して、治療困難な脳動脈瘤の複合的な治療も行っています。
手術後は刻々と変化する病状にICUのスタッフの協力を得て速やかに対処して参ります。
また、未破裂動脈瘤や、大型動脈瘤による脳神経圧迫による症状が出現した場合も、上記の治療法を駆使して脳動脈瘤の治療を行っています。
破裂による頭蓋内出血や、圧迫による痙攣発作が出現します。開頭術や脳血管内手術、γナイフ手術などを組み合わせて、病状に合わせた複合的な治療を行います。
血腫が大きく、正常脳組織への圧迫所見が強い場合に脳損傷を少なくするために開頭手術や神経内視鏡手術を行い血腫を除去します。それ以外の場合は降圧管理を行い、可能な限り後遺症を少なくする為に早期のリハビリを開始します。
また、平行して脳内出血の危険因子を検索し、脳内出血の再発予防に取り組みます。
脳梗塞は、脳血管の狭窄や閉塞により虚血状態となり脳細胞が壊死する状態を言います。急性期脳梗塞の治療法としては、脳細胞が壊死する前に脳血流を再開させる方法があります。救急医や神経内科医と連携して、閉塞している血管をt-PA静注により再開通させる血栓溶解療法(4.5時間以内)や、血栓回収デバイスを用いた脳血管内手術(24時間以内)で治療を行います。
また、脳梗塞の原因となる内頚動脈狭窄症に対しては、外科的な手術による血栓内膜?離術や、脳血管内手術による頸動脈ステント留置術があり、各々の特性を生かして、適切な方法を選択し治療に当たります。 内頚動脈閉塞による脳血流低下で脳梗塞発症の危険性が高い症例には、脳血管吻合によるバイパス術を行っています。
もやもや病は頭蓋内の主幹動脈が進行性に狭窄・閉塞し、その代償として細い新生血管が発達する原因不明の疾患です。症状としては、脳血管の狭窄・閉塞による一過性脳虚血発作・脳梗塞と新生血管からの出血があります。
原因不明ですので進行を抑える事は困難ですが、対処療法として脳虚血に対して脳血管吻合バイパス術による脳血行再建術が行われています。近年、出血に対しても脳血行再建術による新生血管の負担軽減効果で再出血を予防するとの報告もあり、治療が行われるようになりました。
当院では、成人から小児に到るもやもや病患者に対して直接バイパス術+間接バイパス術による脳血行再建術で治療を行っています。特に小児は周術期管理が重要であり、PICUの小児集中科医師と連携し治療を行っています。
種々の良性および悪性脳腫瘍の手術を行い、化学療法、放射線照射などを併せて複合的に治療を行っています。当院では定位的放射線照射装置が設置され、放射線治療専門医による放射線治療を行っています。
また他院との提携によりガンマナイフ治療も行っています。また、難易度が高い頭蓋底良性腫瘍の手術も頭蓋底手術の手法を駆使して治療を行っています。
髄内脳腫瘍の代表である神経膠腫(グリオーマ)は、脳の神経細胞の働きを支えるグリア細胞が腫瘍化した物で、脳の中にしみ込む様に発育します。そのため手術での全摘出は困難であり、術後悪性度に応じて放射線治療・化学療法を追加で行います。
脊柱管腔内の髄内・髄外腫瘍などを整形外科と連携しながら手術治療を行っています。
当院では救命救急センターを併設し、交通事故や転落などによる頭部外傷を含む全身多発外傷に対して、救命救急科、外科、整形外科、放射線科と協力し集中治療を行っています。
顔面けいれん、三叉神経痛などの診断・手術治療を行っています。
疾患名 | 手術件数 |
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脳腫瘍 | 26 |
脳血管障害手術 | 79 |
外傷 | 36 |
脳脊髄奇形 | 17 |
水頭症 | 41 |
脊髄疾患 | 0 |
機能的手術 | 4 |
脳血管内手術 | 155 |
その他 | 6 |
2023年手術総件数 | 364 |
当院では2024年4月にハイブリッド手術室が完成し、脳神経外科手術においても稼働を開始しました。
ハイブリッド手術室とは手術台とX線透視装置を組み合わせた手術室の事です。
当院では血管造影の放射線透視装置と特殊な手術用ベッドが設置され、これまでは別々の部屋で行っていたカテーテル治療と開頭手術をハイブリッド手術室で同時に行う事が可能となりました。
カテーテル手術や開頭手術単独では対応困難な場合に、両者を組み合わせることでより安全で確実な治療を行うことが可能です。
開頭手術中に血管造影検査を行うことで、脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの残存病変を詳細に検討できるため、術中に追加治療を行う事ができます。
高度で精密な手術が可能となり、手術時間の短縮や出血量の減少、入院期間の短縮など患者さんの身体への負担の少ない治療を行う事ができます。