当院は、2023年2月に特定行為研修指定研修機関の指定を受け、4月より術中麻酔管理領域、集中治療領域の2領域パッケージ、8区分で開講しました。2024年2月には、『呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連』『ろう孔管理関連』『創傷管理関連』『栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連』の4区分の承認を受け、4月から10名の研修生が受講中です。
急性期の多様な医療の現場において、こどもからおとなまで「大切な命を守り、県民に貢献する」理念のもと、個人の尊厳への深い配慮と高い倫理性をもち、高度な臨床実践能力を発揮しチーム医療において期待される役割を推進できる看護師を育成する。
高齢化の進展と慢性疾患の増加、医療の高度化や複雑化が進む中、安全で質の高い効率的な医療の提供が必要であり、そのためには多職種や関連機関が連携し、専門性を発揮して医療やケアを提供するチーム医療の推進が求められる。
看護は24時間、患者の傍におり病態の変化を包括的に捉え、変化に的確に対応する実践力と、「医療」と「生活」の両方の視点をもって他職種や関連機関と連携、調整を図り、患者の状態の変化に合わせた医療(看護)の提供を行う。
本研修は急性期医療の現場から地域医療に貢献できる看護師を計画的に育成する事を目的としている。
地域医療及び高度急性期医療の現場において、特定行為を実践する看護師としての責務を自覚しながら、高度な臨床実践能力を発揮し、チーム医療のキーパーソンとしての役割を担う看護師を育成する。
共通科目 ▸e-ラーニングによる講義動画視聴・演習・実習(6科目)
科目名 | 研修方法 |
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臨床病態生理学 臨床推論 フィジカルアセスメント 臨床薬理学 疾病・臨床病態概論 医療安全学/特定行為実践 |
講義・演習 講義・演習・実習 講義・演習・実習 講義・演習 講義・演習 講義・演習・実習 |
区分別科目 ▸e-ラーニングによる講義動画視聴・講義・技術演習・実技試験(OSCE)・臨床現場での実習
区分:6 | 特定行為:10 | 研修方法 |
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呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ①経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 | 講義・演習 実習・OSCE |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ②侵襲的陽圧換気の設定の変更 ③非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ④人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ⑤人工呼吸器からの離脱 |
講義 演習 実習 |
動脈血液ガス分析関連 | ⑥直接動脈穿刺法による採血 ⑦橈骨動脈ラインの確保 |
講義・演習 実習・OSCE |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ⑧脱水症状に対する輸液による補正 | 講義・演習 |
術後疼痛管理関連 | ⑨硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 | 講義・演習 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | ⑩持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液投与量の調整 | 講義・演習 |
区分:6 | 特定行為:13 | 研修方法 |
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呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ①経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 | 講義・演習 実習・OSCE |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ②侵襲的陽圧換気の設定の変更 ③非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ④人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ⑤人工呼吸器からの離脱 |
講義 演習 実習 |
循環器関連 | ⑥一時的ペースメーカの操作及び管理 | 講義・演習・実習 |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理) | ⑦中心静脈カテーテルの抜去 | 講義 演習・実習 |
動脈血液ガス分析関連 | ⑧橈骨動脈ラインの確保 | 講義・演習 実習・OSCE |
循環動態に係る薬剤投与関連 | ⑨持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ⑩持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ⑪持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ⑫持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液投与量の調整 ⑬持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
講義 演習・実習 |
区分 | 特定行為:1 | 研修方法 |
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呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ① 気管カニューレの交換 | 講義・演習 実習・OSCE |
区分 | 特定行為:2 | 研修方法 |
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ろう孔管理関連 | ① 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 ② 膀胱ろうカテーテルの交換 |
講義 演習・実習 OSCE |
区分 | 特定行為:2 | 研修方法 |
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創傷管理関連 | ① 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ② 創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
講義・演習実習・OSCE |
区分 | 特定行為:2 | 研修方法 |
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栄養及び水分管理に係る薬剤関連 | ① 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ② 脱水症状に対する輸液による補正 |
講義 演習・実習 |
研修・指導
研修指導は、経験豊富な医師・薬剤師・看護師が担当します。熱のこもった指導に時間が過ぎるのも忘れて取組んでいます。当院の医師だけでなく、大学や他施設の医師も指導します。
研修場所
2024年5月に完成した特定行為研修専用の研修室で、講義・演習・実習・OSCEを行います
▸沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 特定行為研修室
実習場所
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの救命救急センター・ICU・PICU・病棟・手術室等
協力施設(沖縄県立北部病院・中部病院・宮古病院・八重山病院)
演習の様子
▸エコー演習:ひとり一人の手技を確認しながら、熱心に指導してくださいます
▸手順書作成の講義と演習:グループワークの発表後に皆笑顔で(^_-)-