総合診療科

総合診療科後期研修プログラム

1.プログラムの目標

総合診療科後期研修プログラム_冊子
プライマリケアの研修を通して確かな医療倫理のもと患者中心・家族志向の医療、包括的で継続的な医療、地域のニーズに則した医療および保健・福祉への協力できる医師育成が目的である。沖縄県は離島県のため18の県立病院付属離島診療所があり一人医師として勤務なされており、基本的にはこれら離島の診療に責任を持って携われる医師を育成するためのプログラムとなってる。

初期2年研修と専攻医研修1年の計3年間の研修後に、離島診療所に1年間勤務が基本となっており、その後家庭医療専門医の習得を目標に再度親病院である県立病院へ戻り、総合診療(内科系)研修を基本に行う。

2.プログラムの特徴

基本的臨床能力を身に付けるのは当然として、良質なプライマリケアを提供できるようジェネラリスト(総合する専門医)としての臨床能力を身に付ける。ここでいう臨床能力とはすべての医師が備えるべき診療能力、コミュニケーションやプロフェッショナリズムのみではなく、
1)患者中心・家族志向の医療を提供する
2)包括的で継続的な医療のことである。さらに一人医師としての離島診療が行えるために、救急医療に関しては北米ER型救急でトリアージと初期治療を学ぶ。専攻医研修には総合内科外来研修や皮膚科、精神科、整形外科などのローテート研修を行う。

初期2年間の研修と専攻医研修1年間の研修で終了ですが、卒後4年目には研修ではなく離島診療所での実践となる。初期研修と専攻医研修を合わせた3年間の研修で身に付けた臨床能力を医療現場で存分に発揮してもらう事を目標としてる。実践を通して地域・コミュニティーをケアする能力を磨き、病院研修では不可能であった部分のスキルアップも可能となると考えている。その後に離島研修で得た経験を基に再度、親病院で総合診療を中心とした研修を行う。

3.指導医

仲里信彦
(なかざと のぶひこ)
内科部長
日本内科学会認定医内科専門医
日本救急医学会専門医
日本プライマリ・ケア学会認定医

4.研修内容

  1. 初期研修は沖縄県立南部医療センター・こども医療センター、沖縄県立精和病院初期臨床研修合同プログラムに則り、1年次は全員共通の研修内容とし、内科3ヵ月、外科3ヵ月、小児科2ヵ月、産婦人科2ヵ月、救急医療1ヵ月、麻酔科1ヵ月をローテーションする。2年次は内科(主に総合内科)3ヵ月、救急医療1ヵ月、地域医療1ヵ月、精神科1ヵ月の研修は必須とし、残り6ヵ月を選択科とするが、プライマリ・ケアコースに必要な耳鼻咽喉科・皮膚科・放射線科・救急科などとする。当直は他科研修と同様に救急外来を6~8回/月程度行う。地域医療では沖縄県立南部医療センター・こども医療センター付属離島診療所での2週間の研修が受けられる。
  2. 専攻医研修は総合内科研修(2ヵ月)、消化器内科研修(2ヵ月)、循環器内科研修(2ヵ月)、整形外科研修(2ヵ月)、小児科研修(3ヵ月)を必修科とし、選択科(1ヵ月)を行う。専門医研修中も当直は救急外来を中心に6~8回/月行い、内科研修中も外来研修を行う。4年目は離島診療所で勤務し、5年目は希望があれば総合内科を中心とする1年間の研修が可能。
  3. 院内での研修中には、各科ローテーション時の入院患者及び外来患者のレポート提出を行い、相互に直接議論する。総合内科研修中には外来患者に関しては、診察日にカルテビューを研修医と共に行い、診療能力の確認を行う。離島診療所への勤務中は、急患搬送症例・往診患者・心理・社会的問題のあった患者さんのレポートの提出を毎月提出。臨床研修委員長とプライマリ・ケアコース責任者とでレポート提出や診療態度・技能を総合的に評価し、研修修了認定を行う。

5.獲得可能資格

家庭医療専門医

6.連携施設及び科

  • 沖縄県立中部病院地域・救命救急科
  • 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター付属の各離島診療所
  • 沖縄県立宮古病院

7.採用人数

毎年2名まで