小児循環器医師を目指す方へ

グローバルな経験を積みたいと思っている小児循環器医師募集

 当院には、沖縄県内のほぼ全ての小児循環器患者が分け隔てなく集約されています。胎児診断から、周産期管理、JateneやNorwood手術も含めた心臓血管手術週術期の検査・管理、アブレーションも含めた様々な心臓カテーテル検査・治療、重症心不全管理、肺高血圧や川崎病の治療、成人先天性心疾患診療まで、グローバルな経験が積めることを約束します。幅広く多くの臨床経験を積みたい、何でも一人でできるようになりたい、重症患者の管理を実践したい、カテーテル治療を勉強したいなどと抱いている有志ある先生、お気軽にご相談下さい。
 
担当:佐藤 誠一(さとう せいいち)
   Seiichi7286@yahoo.co.jp
 

積極的に発展させたい分野

  • 低侵襲カテーテル治療の発展
     近年は、小児心臓血管外科とコラボレーションしたハイブリッド治療を積極的に施行して、最重症の先天性心疾患児の救命に力を注いでいます:Norwood手術ハイリスク群の左心低形成症候群などに対するハイブリッド治療(両側肺動脈絞扼術と動脈管ステント留置術)、無脾症候群の狭窄性総肺静脈還流異常に対する還流静脈ステント留置術など。また、2015年からNykanen RFワイヤが使用可能となり、閉鎖心房中隔への心房中隔欠損作成術や閉鎖肺動脈弁の弁形成術が経皮的に安全に施行可能となりました。
     2020年4月からAmplatzer Piccoloオクルーダが承認され、低体重児の動脈管も閉鎖が可能になりました。近い将来、成人先天性心疾患を対象とした経皮的肺動脈弁留置術が承認される予定であり、積極的に施行して行きたいと考えています。



    図1 左心低形成症候群新生児の卵円孔閉鎖に対する経皮的心房中隔欠損作成術の1例
    (A)エコーガイド下にNykanen RFワイヤ(矢印)で心房中隔を穿通し、(B)順次サイズアップしたバルーンで欠損孔を拡大して、(C)さらにPull back手技を追加して、(D)大きな心房中隔欠損(矢印)が作成されている。




    図2 低出生体重児(Norwoodハイリスク)、左心低形成症候群に対する動脈管ステント留置術の1例
    両側肺動脈絞扼術後、(A)動脈管は狭窄し、大動脈縮窄(矢印:血流ジェット)を合併。(B)大腿静脈からステントをデリバリし、(C)狭窄部を越えて留置。ステントサイドセルから大動脈弓への逆行性血流(矢印)。(D)ステントサイドセルと大動脈峡部をバルーンで拡張し、(E)大動脈縮窄も解除されている。

     
  • 胎児心エコー
     胎児心臓超音波検査専門施設として、沖縄全土(周辺離島を含む)の産科施設と協力して、胎児期に心疾患が疑われた全症例を集約化しています。定期的に胎児心エコーに関する研究会などを開催し、近隣産科とも密に連携することで、沖縄県の胎児心エコーの診断率向上を図っています。
     胎児心エコーの地域への普及・診断率の向上に伴い、胎児診断から出生後の治療計画を立てることで、最重症の先天性心疾患も救命できるようになってきています。また早期診断により、出生前からご両親に対して病気に関する十分な説明を行い、他職種コメディカルスタッフとも協力し合いながら、ご家族のこころのケアにも力を入れています。



    図3 胎児診断有用症例。在胎30週に重症大動脈弁狭窄・閉鎖不全と胎児診断し、静岡こども病院と相談。
    新生児期に当院で自己心膜を用いた大動脈弁形成術を施行し、救命された。




    図4 胎児診断有用症例
    (A)妊娠中期から右側相同心、右室型単心室、大動脈縮窄、総肺静脈還流異常、還流静脈狭窄と診断し、出生直後の還流静脈ステント留置術を計画。(B)生後1時間で3DCT構築、1時間30分後にカテーテル室へ搬入。(C)還流静脈ステント留置術を施行し、SpO2は60%から80%へ上昇。
 

学会報告・参加

 日本小児科学会、日本小児循環器病学会、日本先天性心疾患インターベンション学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本成人先天性心疾患学会、日本超音波医学会、日本心エコー図学会、日本胎児心臓病学会、日本小児心電図学会、日本川崎病学会、日本小児科学会沖縄地方会、沖縄小児科学会、沖縄県医師会、、World Congress of Pediatric Cardiology & Cardiac Surgery、Asia-Pacific Pediatric Cardiac Society
 

研究会・勉強会

 九州川崎病研究会、沖縄キッヅハート、沖縄心血管エコー図研究会、沖縄胎児心エコー講習会、おきなわこどもCME、沖縄小児救急研究会